ウォーターサーバーの市場において、「宅配型ウォーターサーバー」は長らく主流の存在でした。

このタイプのウォーターサーバーは、天然水やRO水のボトルを定期的に宅配し、サーバーにつなげて利用してもらう仕組みによって飲料水を提供します。

【特徴】

■手軽さ:

宅配された水容器を定期的に交換するだけで利用できる一番シンプルなタイプで、品質の高い水へのこだわりから、多くのユーザーに支持されています。

■水を選ぶ:

好みや目的に合わせてさまざまな水の種類（天然水、RO水など）から水を選ぶことができる面も、宅配タイプのウォーターサーバーユーザーが多くいる理由です。

■収納スペース:

定期的に宅配される水容器（ボトル）の収納スペースが必要な面が第一の欠点です。

～メリット～

導入時の初期投資が比較的低く、水容器（ボトル）交換が簡単なため、多くの家庭やオフィスなどで利用されています。

また、水の品質・安全性が高い点も特長です。

～デメリット～

収納スペースの問題やボトルの交換による負担といった少々手間な部分があります。

また、普通ゴミとして廃棄する「ワンウェイボトル（使い捨て）」の場合、環境への影響に対する懸念も。

このように、宅配型ウォーターサーバーは利便性に優れ、多くの消費者に受け入れられている一方で、環境への負荷が課題です。

新たな製品を開発する際には、回収・再利用が可能な「リターナブル」容器（ボトル）を導入するなど、より効率的で環境にやさしい方法を検討することが求められます。

次に取り上げるのは、水道水を注いで給水し、内蔵の浄水機能によって浄化するタイプです。

このタイプのウォーターサーバーは、近年ますます注目を浴びており、その特徴を詳しく解説します。

【特徴】

■水道水の浄化

水道水を給水源とし、内蔵のフィルターや浄水技術によって浄化した水を提供します。

■継続的な供給: 水道水を利用するため、水を購入する必要がありません。

また、それに伴う容器の保管場や交換の手間がなくなります。

■初期コストと維持コスト:

サーバー内に設置されている浄水フィルターの定期交換が必要なため、維持コストが比較的かかりますが、水道水を使用するため、長期的に見ればコスト効率は高いとされています。

～メリット～

水道水を浄化して提供するため、地域によって水質に違いがある場合でも、安全で安定した水の提供が可能です。

また、水容器ボトルの交換・保管スペースの問題が解消。お年寄りにも優しく、手軽に美味しいお水が手に入る便利さと、環境への配慮を組み合わせています。

～デメリット～

定期的に行う浄水フィルターの交換費用がかかる点が挙げられます。

浄水フィルターの適切なメンテナンスを怠ると、雑菌の繁殖やなどが起こり水質が悪化する恐れがあります。

浄水型ウォーターサーバーの製造・販売においては、コスト効率の向上と長期の顧客満足を考慮した販売戦略が必要です。

浄水フィルターの品質と交換サイクルについてもしっかりと検討し、信頼性のある製品を提供しましょう。

最近注目を集めているタイプです。

浄水型と同じく水道水を利用しますが、その大きな違いは「水道管直結」であること。

こちらでその特徴について詳しく説明します。

【特徴】

■水道直結:

名前の通り水道（水道管）とサーバーが直接連結し、常時水を供給することが可能です。

一般的に、浄水型と同じく浄水フィルターの交換は必要です。

■水供給の簡易性:

水道から連続的な水供給が可能で、水容器（ボトル）の残量に気を使う必要がありません。

■取付け工事:

利用するには、水道管を分岐させてサーバーにつなげる工事が必要です。

メーカー、もしくは水道業者が対応することが一般的です。

～メリット～

水道と同じようにコックをひねれば好きな分だけ浄化された水や温水が出てくるため、お料理などにも非常に便利で、主に家庭や飲食店などの水の使用が多いユーザーに高く評価されています。

〜デメリット〜

初期の取付け工事費がかる点や、水栓の形状による設置場所の制約がデメリットと言われています。

水道直結型ウォーターサーバーは、給水せず継続的に水が供給されるといった手軽さが非常に魅力的ですが、ユーザーが気にする初期の設置費用やフィルター交換に対するコスト効率を高める工夫が求められます。

ウォーターサーバーを製造・販売する際は、その使用目的や家庭構成、水の使用量、といった要素をふまえてターゲット層にとって魅力的な仕様を検討し、開発・製造していく必要があります。

ただ製造できるだけではなく、市場調査における課題や未来的なニーズをしっかりと共有できる製造パートナーを探すことを重視しながら検討を進めていってください。

また、メンテナンスなどのアフターフォロー体制もポイントです。

何かあった時にすぐ相談・対処できる体制が整っていることも見極めましょう。